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重要判例・保険

裁判所 内容 備考
東京高裁

パン屋を営んでいた保険契約者において、その店舗内において火災が発生し保険の目的である設備等が焼損したため保険金の請求を保険会社に対し行ったところ、火災の発生原因が契約者の重過失によるものと裁判所が認めたため、保険会社の保険金支払い債務が免責された。

業務に使用するフライヤーの管理に不適正な点があった。

■フライヤーやサーモスタットについて不具合があることを認識していながら、約30年間にわたって一度も修理することなく継続して使用していた。

■火災発生の1,2か月前からフライヤーの火の消し忘れが3回あったが、経営者より従業員に対し火の消し忘れについて注意を喚起することはなかった。

■フライヤーの清掃について徹底されていない。(火災発生まで約2週間の間清掃がされていなかった)

■火災発生時にフライヤーのガス元栓は閉められておらす、ガス供給スイッチもONのままで、ガスの供給が可能な状態だったこと。(担当者が火を消し忘れたまま帰宅していた可能性が極めて高い)

保険契約者においては、その重過失を理由に保険金の請求を棄却される場合がある。

以下の行為等は重過失と認定される恐れがあり、注意が必要。

  • ●漏電による火災
  • ●ストーブを消さずに外出
  • ●タバコの火の不始末

法人の場合、以下の社内規定の整備が重要
  • ■高熱を発する機器の定期的な修理、清掃点検の実施
  • ■退社時の火元の確認
  • ■防火責任者の設置と防火に関する注意事項の周知徹底
  • ■消化設備の正常な稼働と避難経路の確保
裁判日時
平成26年
11月
保険種目
店舗総合保険
裁判所 内容 備考
東京地裁

マンションの排水管の高圧洗浄を行う業者の過失が原因で、マンションの居室内にて漏水事故が発生し、そのために損害(自己の有する動産の汚損)が発生したとして当該居住者が損害額の弁償を求めた事例(約1900万円)で、裁判所が主張される損害の一部のみ(約300万円)を認めたもの。

  • ■損害認定されたもの
  • ア:室内に現存し、かつ使用不能となったことが確認されたもの
  • イ:クリーニング代金
  • ▲損害認定されなかったもの
  • ウ:損害確認時にすでに廃棄されて確認不能なもの
  • エ:衣類で、クリーニングによっても回復できない被害が残ったと認定するに足りる証拠がないもの
  • オ:慰謝料
  • ●減額されたもの
  • カ:居室の修理工事中のキッチン使用不能を原因とする外食代金
  • キ:弁護士費用
  • ●発注者→下請け→孫請けの発注構図で孫請けが不法行為を行った場合、3者の共同不法行為として責任が波及し、連帯して責任を負うことがある。
    (民法719条)
  • ●漏水による汚損被害が発生した場合、汚損した動産を被害額鑑定の前に破棄すると損害が認定されないことがある。
  • ●高額の所有動産については、購入相手、購入金額、購入日時、状態を証明できる物証(領収書、仕様書等)を保存することが望ましい。
裁判日時
平成21年
2月
保険種目
賠償責任保険
裁判所 内容 備考
最高裁

自己を被保険者とする生命保険契約において、契約者が保険金の受け取りを変更する行為は民法1031条に規定する遺贈または贈与にあたるものではなく、これに準ずるものと言うこともできない。

被相続人(夫)は当初X1(妻)を受取人として生命保険を契約していたが、その後妻との間が不仲になったため、受取人を実父のYに変更後、死亡。

被相続人死亡後、X1はYを相手に保険金受取人の変更が権利の濫用であり無効だとして自分に死亡保険金の請求権があることの確認を求めた他、X1,X2,X3で遺留分減殺請求の意思表示を行い、それぞれ四分の一、八分の一に相当する死亡保険金受取請求の権利を主張。

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●X1、X2、X3の訴えは認められず。
”死亡保険請求権は、指定された保険金受取人が自己の固有の権利として取得するものであって、保険契約者または被保険者から承継取得するものではなく、これらの者の相続財産を構成するものではない。”

”死亡保険金請求権は、被保険者の死亡時に初めて発生するものであり、保険契約者の払い込んだ保険料と等価の関係に立つものではなく、被保険者の稼働能力に代わる給付でもないのであって、死亡保険請求権が実質的に保険契約者または被保険者の財産に属していたものとみることもできない。”

~ 判決理由から ~

一審、二審とも原告の請求を棄却している。
裁判日時
平成14年
11月
保険種目
生命保険

当社が大事にすること

”部分最適”より”全体最適”
”部分最適”と”全体最適”という考え方があります。これを賃貸経営や不動産取引、会社経営に置き換えるとどうでしょうか?

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