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重要判例・相続

裁判所 内容 備考
東京地裁

法定相続人の一人より被相続人の公正証書遺言が無効であるとして他の相続人が訴えられたが、訴えは退けられた。

訴えの骨子)

◆遺言作成時、被相続人は意思能力が欠如しており遺言能力がなかった→
長谷川式やMMSE等各種検査でも高度の認知症が疑われる数値がでており、主治医の意見書でも『常に目を離すことのできない状態』との見解が示されている。区の担当者による要介護度判定の訪問調査の際も、日常の意思決定につき『日常的に困難』の判定結果だった。

司法の判断*

●意思能力の欠如の有力な証拠とされる医療センターでの検査より以前に別件で他の病院にて受診しているが、その際認知症と診断された形跡はない。

●医療センターでの検査の後、免許試験場にて運転免許証を更新しており、その際高齢者講習及び認知機能検査を受け、それをクリアしていることから、認知症だったとすれば認知機能検査で良好な成績を取ることは難しい。

●医療センターでの検査の6か月後、母校の記念祝賀会に出席し芳名帳に記帳の上壇上で単独で挨拶をこなしている等の理由から遺言作成時被相続人が意思能力が欠如していたとは考えられない。






■長谷川式スケール(HDS-R)
精神科医の長谷川和夫氏が開発した簡易式知能検査。30点満点で20点以下は認知症の疑いありとされ、点数が低いほど高度の認知症の疑いが高まる。

■MMSE
ミニメンタルステート検査。米国で開発された認知症診断用の質問票。30点満点で24点以上で正常、点数がさがるほど知能低下が進んだ状態とされる。

*遺言の無効確認訴訟は近年増加中

裁判日時
平成28年
保険種目
公正証書遺言
無効確認訴訟
裁判所 内容 備考
最高裁

自己を被保険者とする生命保険契約において、契約者が保険金の受け取りを変更する行為は民法1031条に規定する遺贈または贈与にあたるものではなく、これに準ずるものと言うこともできない。

被相続人(夫)は当初X1(妻)を受取人として生命保険を契約していたが、その後妻との間が不仲になったため、受取人を実父のYに変更後、死亡。

被相続人死亡後、X1はYを相手に保険金受取人の変更が権利の濫用であり無効だとして自分に死亡保険金の請求権があることの確認を求めた他、X1,X2,X3で遺留分減殺請求の意思表示を行い、それぞれ四分の一、八分の一に相当する死亡保険金受取請求の権利を主張。

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●X1、X2、X3の訴えは認められず。
”死亡保険請求権は、指定された保険金受取人が自己の固有の権利として取得するものであって、保険契約者または被保険者から承継取得するものではなく、これらの者の相続財産を構成するものではない。”

”死亡保険金請求権は、被保険者の死亡時に初めて発生するものであり、保険契約者の払い込んだ保険料と等価の関係に立つものではなく、被保険者の稼働能力に代わる給付でもないのであって、死亡保険請求権が実質的に保険契約者または被保険者の財産に属していたものとみることもできない。”

~ 判決理由から ~

一審、二審とも原告の請求を棄却している。
裁判日時
平成14年
11月
保険種目
生命保険

当社が大事にすること

”部分最適”より”全体最適”
”部分最適”と”全体最適”という考え方があります。これを賃貸経営や不動産取引、会社経営に置き換えるとどうでしょうか?

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